経路時間の検証レポート

推定時間をどのように確認し、どこまでを参考値として扱うべきか。実際の検証結果と課題を公開します。

検証日: 2026年9月15〜16日/公開日: 2026年9月23日

結論 代表的な経路では数分差または一致する例がある一方、快速列車、直通運転、列車待ち、離れた駅同士の徒歩乗換が絡むと差が大きくなることが分かりました。こみぐあいの所要時間は住む駅の候補を絞るための参考値とし、実際の出発時刻に合わせた確認には乗換案内を併用してください。

検証を行った理由

通勤先から住む駅を探すとき、所要時間が数分違うだけで候補駅が変わることがあります。一方、毎日すべての列車を検索する仕組みにすると、外部サービスへの依存や利用条件、運用費が大きくなります。そこで、まず再現可能な内部監査で異常を探し、代表経路だけ条件をそろえて手作業で照合しました。

固定サンプル200経路の内部監査

首都圏の運用中駅から固定seedで駅ペアを作り、直線距離2〜25kmを100件、25〜60kmを100件抽出しました。2026年9月15日時点の駅2,508件、路線222件、接続8,014件のローカルデータを使い、本番データを変更せずに確認しています。

99/100近距離で経路あり
89/100広域で経路あり
23件機械的な要確認候補

要確認候補は、短距離なのに乗換が多い、距離に対して時間が極端、探索上限付近などの条件で抽出したものです。フラグが付いたこと自体は誤りの確定ではありません。

この監査だけでは正確さを測れません。
同じ自前データの中で不自然な結果を探す内部整合性の確認です。そのため、次に外部の乗換案内と条件を合わせて照合しました。

代表8経路の手作業照合

一般的な乗換案内アプリで、2026年9月16日8:00出発、時間優先、有料特急なしを目安に確認しました。こみぐあいは発車日時を指定しないため、単純な優劣ではなく、差が生まれた箇所を調べています。以下のこみぐあい側の値は検証当時のもので、現在の検索結果とは異なる場合があります。

経路こみぐあい乗換案内確認結果
飛鳥山 → 池袋16分・1回22分・1回徒歩4分は一致。都電と待ち時間で6分差
鐘ヶ淵 → 新小岩22分・2回25分・2回最短として選んだ経由地が異なる
北品川 → 大手町21分・2回24分・2回直通境界と便の乗換位置が異なる
東武竹沢 → 大崎120分・3回110分・2回急行を十分に表現できず探索上限の影響あり
下永谷 → 片瀬山29分・2回29分・2回時間・乗換回数・路線が一致
面影橋 → 白山22分・2回29分・2回都電の乗車時間と実際の待ち時間で差
武蔵小杉 → 石川台26分・2回17分・2回路線は一致。乗車・乗換時間が長め
地下鉄成増 → 砂川七番結果なし68分・3回立川→立川北の徒歩接続不足を特定

検証から分かった4つの原因

1. 列車待ちを入れないと、数分短くなりやすい

飛鳥山→池袋など、複数路線へ乗る経路では乗車開始ごとの待ち時間が積み重なります。一律に3分を足すだけでは偶然合うこともあるため、時刻表から発車間隔の代表値を取る方法を検証しています。

2. 路線名が変わる地点と、本当の乗換地点は同じとは限らない

京急線から都営浅草線など、直通運転では列車を降りずに路線名だけ変わります。一方、同じ路線でも途中駅で別の便へ乗り換える場合があります。路線グラフだけでは両者を完全に区別できません。

3. 快速・急行の停車パターンが長距離で効く

東武竹沢→大崎では、東武東上線の急行相当を表現できず各駅間の推定が積み上がりました。長距離ほど、列車種別を考慮しない差が大きくなります。

4. 別名の近隣駅は、誤接続とのバランスが必要

立川と立川北のように徒歩で乗り換えられる駅がある一方、名前が似ていても実用的に歩けない駅もあります。駅名や直線距離だけで大量に接続せず、公式の乗換情報や歩行経路を優先します。

現在の改善方針

  1. GTFSの列車時刻から、駅間時間と朝ピーク時の待ち時間を自動集計する。
  2. transfers.txt・pathways.txtに公式の乗換時間があれば最優先する。
  3. 公式情報がない徒歩乗換は、OpenStreetMapとOpenTripPlannerで歩行経路を検証する。
  4. 快速・各駅停車・直通運転を、列車単位で区別できるデータ構造へ段階的に移行する。
  5. 固定サンプルと確認済み経路を自動テストし、改善による別経路の悪化を防ぐ。

個別の8経路へ手作業で補正値を入れるのではなく、同じ原因を持つ経路全体へ自動的に効く改善を優先します。90点を98点にするために人手で数字を合わせ続ける運用は行いません。

結果を見るときのおすすめ

データの計算順や表示区分については、データと計算方法もご覧ください。

所要時間を参考値として、混雑率や乗換回数と一緒に候補駅を比較できます。

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